豊かな自然に抱かれたようなKさま邸。「箱」をテーマに、大小さまざまな箱
を窓でつなげ、扉がないのが特徴だ。「扉で仕切るのではなく、段差や設計の
工夫で一体感のある空間にしたい」というご夫妻の希望が生かされている。ま
た、お母さまと暮らす二世帯住宅ということで、程よい距離感が重要視された。
玄関を入ってすぐに待合（和室）を中間領域とし、水まわり、子ども部屋、寝室、
WIC、お母さまの空間が箱として計画され、残りの余白が生活空間として提案
されている。ご夫妻の居住スペースへ向かえば、まるで舞台のようなリビング
が外のデッキへ向かって伸びやかに広がる。個室のスペースは最小限とし、過
ごす時間が長いリビングは、家の中からも外の景色を存分に感じられるよう広
さ・空間ともに開放的にした。使いやすさの“機能美”と自然を感じながら“情
緒”を育む特別な邸宅に、今日も気持ちの良い風が通り抜けていく。