パン屋【店舗デザイン】設計・建築|イエプロ掲載 アルムのパン
イエプロとは、人の暮らしをデザインする建築家や暮らしを支えるプロフェッショナルたち。イエプロたちは私たちの暮らしを支え、より豊かにする商業建築も手がけています。
当記事は、2024年6月に発行された『イエプロ 2024-2025』(株式会社エス・ピー・シー発行)誌面から転載してお届けしています。
開放的な平屋のパン屋『アルムのパン』
大きく開けたバイパス沿いにある、大きな窓の開放的な平屋店舗。
窓の向こうに見えるのは、笑顔で働く職人と、パンをじっくり選ぶお客さまの姿。
広々とした敷地に建つ「アルムのパン」は、ゆったりとした空間で訪れる人をあたたかく迎えている。
店舗デザインでパンを選ぶひとときを、豊かな時間に。
大通り沿い、大きなガラス窓の向こうに並ぶ多くのパンと、オーブンから出される焼きたてのトレーを持つ職人が目に映ると、思わず早足になってしまう。
そんなパン好きの心を躍らせるさまざまな種類のパンをそろえるアルムのパンは、店内に入る前からパンを選ぶワクワクを感じてもらう工夫をあちこちに備えている。
例えばパーキングは、道路から斜めに配置することで、往来の多い道からスムーズに敷地に入れるように。
また入り口をレンガ敷きにすることで、自然と車はスピードを緩め、穏やかに駐車できるよう配慮され、パーキングのラインを芝生にすることで、街なかにいながら公園にいるような穏やかな印象に。
パンを買う日常の何気ない時間が、贈り物を探すときのような楽しいひとときに思わせてくれる。
【アルムのパンの店舗デザイン】店内動線のこだわり
店内は一直線の動線で、パンエリアは回遊しやすいよう広めにスペースが取られ、ちょうどトレーとトングを持って進むのに窮屈さを感じない広さに。
厨房は中の様子が感じられるよう大きく開かれているが、製造時に粉が売り場まで飛んでこないよう壁を立ち上げる工夫も取り入れている。
また店内への入り口と出口が違うことで、パンを前にしてじっくり悩む楽しさと、厨房内でパンが焼き上がる瞬間を目にする感動、支払い時の現実感ある作業行為をシームレスな空間ながら、スムーズに移行できるように配置。
また、店内にはイートイン可能な空間が設置されていて、パンを「買う」だけにとどまらず、パンと過ごす時間までのんびりと味わうことのできる店舗となっている。
[敷地面積]738.29㎡(223.33坪)
[工法] 木造在来軸組工法
[延床面積]176.0㎡(53.3坪)
[工程] 設計6カ月・監理6カ月
【店舗情報】アルムのパン
住所:愛媛県松山市東長戸1-11-39
営業時間:8:00~17:00
定休日:無休
電話:089-994-6335
Instagram:https://arum.life/
イエプロ紹介
松浦 竜也
対話の中から、要望の「根っこ」を見つけることを大切にしている松浦さん。家事、働き方、趣味などの話題を通して、ライフスタイルの基盤がどこにあるのかを見つけていく。「そうして何度も確認をしあいながら、お互いのイメージを共有していくことを心掛けています」と話す。また、チーム体制でサポートすることで、建てる前、建てた後もフォローできることが強みだ。
株式会社コラボハウス 一級建築士事務所
🚩松山市久万ノ台314-4 1F