市坪の家 - 西下太一建築設計室の施工実例
施主様のこだわり
「薪ストーブのある暮らしがしたい」。そんな想いを持つクライアントが具体的な要望として話したのは、長年の夢だったという土間キッチンと家庭菜園を設けたいということ。それらと、西下さんが感じ取ったクライアントの夢や暮らしのありよう、敷地・予算といった条件などを紡ぎ合わせ、何気ない生活シーンを物語のように思い描いてプランはつくられた。数値が示す面積は広くないが、吹き抜けやリビングからひと続きになったデッキ、視線の抜けを意図した窓など、さまざまな工夫により、豊かな空間が創出されている。コンパクトな敷地ながらも、「庭」という余白を、また玄関先の広い軒下空間や2階のフリースペースといった“ゆとり”を設けた。これらの作用で、心地よさや楽しい時間が生まれている。こうした空間づくりに、西下さんの質の高い設計と、暮らしに向けるやさしい眼差しを感じずにはいられない。