施主様のこだわり

　お子さんはすでに巣立っており、多忙なMご夫妻が効率的な暮らしでプライベートを満喫し、仕事への活力を得られるような住まいにしたいとの想いを優先させて設計された住まい。計画地は鋭角な三角形をしていて、1本の水路により周囲から切り離された、独立した印象をもっている。その敷地の特徴をさらに引き出し、Mご夫妻の好みと融合させるために、ファサードは陰影のある屈折壁とフラット壁を対比させたシンプルなデザインとした。1階はご主人のプライベートゾーン、2階はパブリックスペースと奥さまの居室などで構成。敷地の外周を塀で包み込み、塀と建物の間に外部空間をつくった。「建物をつくるとき、外部空間との良好な関係性は私の設計のテーマのひとつ。周囲の景観を取り込む手法もありますが、今回は自らその景観を生み出したのです」と河野さん。これにより、普段の生活を癒しに満ちたものにした。