施主様のこだわり

変化を受け止め昇華する、おおらかな場所。

個人の好みや家族の形は、時の経過とともに変化していく。長谷部さんのテーマの一つが、そうした変化を受容する建物の設計。常に意識しているが、「雨覆いの家」では、それが色濃く出た形となった。敷地は商業施設やオフィス、幹線道路で取り囲まれた市街地にある。喧騒のなかにありながら、施主さまが望んだのはBBQなどが楽しめるガーデンライフ。それを叶えるべく設けたのは、建物の裏側に設けたアウトドアリビングだ。隣家の壁を背景に、邸内LDKから延長させた木軸が、あたかも屋根や壁をかける前の構造材のように延びている。山採りの木がやさしい葉陰を落とし、木漏れ日のような陽だまりに包まれた空間は、BBQだけでなく多様な使い方が可能。植物を這わせてパーゴラにしたり、タープをかけたり。その時々のライフスタイルに寄り添ったアップデートが可能だ。