施主様のこだわり

腰壁と付け柱が額縁となり、映えさせるゴッホの壁紙。

広島県にある一軒屋。「親族が住んでいた大切な建物を活かしたい」と考えていた施主さまは、かねてから石村さんが手がけた建物に憧れていた。そこで大リノベーションし、「日常づかいができる非日常」「個性を持ちながらも上品」「人生に潤いを与えてくれる建築」をコンセプトとした民泊にするプロジェクトが進んだ。
邸内に施されたのは、大正ロマンに新たな解釈を加えたデザイン。ゲストが共有するリビングダイニングは同系色・異素材のモスグリーンで上品に整えた。ゴッホの壁紙を映させるのは、額縁のような腰壁と付け柱。ダイニングとリビングを仕切るRの下がり壁は、フレームに施した赤茶の塗装がアクセントに。アーチの奥にあるキッチンは、開閉式のガラス窓をはめ込み、ほのかに中の様子が見える仕掛け。テーパー加工を施した菱形タイルの煌めきが目を惹く。モスグリーンに加えたゴールドが、蝸牛テイストの大正ロマンとなった。