YOAN(旧矢野邸) - XSA笹村白石建築設計事務所の施工実例
施主様のこだわり
土地の文脈を読み、原風景になる家をつくる。
「YOAN(旧矢野邸)」は、白石さんの祖母の家を改築してつくった、笹村さんと白石さんの自邸兼設計事務所である。玄関ドアを開けると土間が広がり、視線の先の掃き出し窓から南庭に設けた畑が見える。土間の床は土で、壁の一部は竹小舞下地があらわしに。「刷新ではなく、50年前にこの土地の環境に合わせてつくられた家の良いところを活かし、僕たちが手を加え、次の50年につないでいく改築計画です」と笹村さん。
2人は地域の自然や歴史、文化、営みといった“土地の文脈”を読むことを大切にしている。その建築思想はこの建物にも息づき、ふらりと入ってくる人を歓迎するような、おおらかさとあたたかみが感じられる。「子どもにとって、自分の家は原風景になる。そのことを意識しながら設計しました」。そう話す白石さんは小上がりから庭を見るとき、祖母とのシーンを思い出し、心があたたかくなるという。