施主様のこだわり

古いものと新しいものが 共存する世界。

どっしりとした風格のあるたたずまいを見せるこの建物は、約70年前に建てられた料亭兼住宅をリノベーションして移転してきた老舗のしゃぶしゃぶ・すき焼き店。時を経ることによってのみ醸成される独特の空気感を内包した室内には、柱や建具、調度品など、元々使われていたものを極力活かし、そのなかに現代の素材や設計思想を調和させて新しい価値を与えている。一方で外観は補修、外構は建物全体との関係性を整えるのみとし、生まれ変わった和モダンな室内空間と、在りし日の姿を色濃く残す外観とが、季節とともに移ろう自然と一体となって変化していく“時”を愉しませてくれる。横山さんが常々意識しているという「何度も訪れたくなり、何度訪れても新しい感動がある」建物だ。