もちの木が見守る陶工房 - イシマルデザイン一級建築士事務所の施工実例
施主様のこだわり
アトリエへと誘う通り土間のギャラリー。
「こんな市街地に窯があるなんて! と驚かれます」と話すのは「陶工房もちの木」の窯元であるKさま。敷地はもともとKさまの祖父母の住まいがあった場所。当初は築60年以上の堂々とした日本家屋のリノベーションを視野に入れていた。だが、広い工房スペースが必要なため、新築の設計を岸さんに依頼。「まず考えたのは、敷地の中心にあったもちの木の扱い。長年この場所で年を重ねてきた木を残し、工房と住まいを分離し、ゆるやかにつなげる役目を担わせました」。1階はもちの木を囲むようにゲストルームと工房をレイアウト。ゆっくりと創作活動に打ち込めるように、アプローチは長さのある通り土間にし、そこにも作品を展示。2階の居住スペースにはやさしい木陰を生み出すバルコニーを設けた。邸内のどの場所からも感じられる大樹の生命力は、この建物の象徴ともいえる。和洋、新旧がほどよく調和した空間で、やさしい作品が生み出されていく。