真言宗光林寺 位牌堂 - 奥野崇 建築設計事務所の施工実例
施主様のこだわり
1300年余りの歴史を誇る真言宗光林寺。その歴史を次世代へとつなぐ施設再計画の最初のプロジェクトが、この位牌堂建設である。現代の素材を使って「これからの寺院をつくる」というテーマを掲げ、奥野さんは心に安らぎをもたらす場になること、諸行無常を建築的に表現することを意図して設計。鉄骨造の本体に、約550本の檜の化粧垂木を袴のように掛け渡し、ランダムにガラスをはめ込み、光の回廊をつくった。訪れた人は正面に鎮座する仏像を拝し、光と陰のコントラストが美しい回廊を歩くという「鎮まる時間」を体験する。3層の位牌スペースの上に、3方向ガラス張りの特別な空間。空が近いここでは、浮遊感と共に周囲の自然景観と一体化する感覚に包まれる。境内の伝統的な建造物との調和が図られ、歴史と未来が融和する現代建築となっている。地元の職人によってメンテナンスできるよう、配慮されているのも特徴である。