施主様のこだわり

　田園風景に囲まれた敷地に計画された平屋。施主さまは人生経験豊富な世代。「木をふんだんに使った柔らかな空間」「老後の余暇を楽しむことができる住宅」を望んでおられ、木の特性を熟知し、それを生かしてモダンな空間づくりを得意とする藤山さんに設計を依頼した。ファサードは大きなフレームのガレージが印象的。あたかもその奥に佇む住まいを守るかのような堅牢なつくりとなっている。建物は南北に細長い敷地に対して、手前にパブリックゾーン、奥にプライベートゾーンをレイアウト。２つに分かれた空間を、建物中心部でつなぐ構造とした。デザインにおいての見せ場は、掃き出しの開口をとったリビングルーム。構造体をインテリアデザインの一部として捉えており、天井を見上げれば整然と並ぶ梁の美しい姿がそこにある。深く軒を出した縁側も特徴で、施主さまが閑雅なひとときを過ごされることを願っている。