クジラが住む石壁の平屋 - コラボハウス一級建築士事務所の施工実例
施主様のこだわり
高低差のある空間が 生活にメリハリを生む。
田園風景に囲まれ、周囲の自然とうまく調和したMさま邸。これまで両
親と同居していたが、築年数も古かったことから、旧居の目の前の敷地
を造成し家づくりが始まった。この景観を生かして、開放的で伸び伸びと
暮らせる家を希望したご夫妻。もっとも重視したのが家事動線。その一
つがセパレートキッチンの採用だった。シンクとコンロを2つのキッチン
台に分けることで、それぞれ広い作業スペースをつくることを可能にし、
スムーズで短い動線のキッチンとなった。そして秀逸なのは、あらゆる空
間の見せ方と素材の使い方。室内ドアのガラスや階段手すりのアイアン
によって抜け感を生み出し、部屋をより開放的に見せている。
視線が抜ける、おおらかなリビング・ダイニング。壁一面の大開口から豊か
な自然の風景が望め、たっぷり差し込む光が室内の表情を刻々と変えていくよ
う。特徴となったのは、一つの空間にいながらにして、高さや部屋の変化を楽
しめるということ。奥さまが調理をしながら、お子さんの様子を見守れるスキッ
プフロアは、パブリックスペースをゆるやかに仕切ることが叶い、遊び心あふ
れる空間に仕上がった。またスキップフロアとともに設けられた収納庫は空間
的に余白が生まれ、無駄のないプランニングになった。「新しい住まいになって、
子どもたちはおうち時間が大好きになりました」と奥さま。この土地や風景を
生かし、子どもたちが伸び伸びと過ごせる家にしたいとのご夫妻の希望は、設
計士の感性によって大いに引き出され、とっておきの住まいとなった。