店舗×住宅 風を懐く小料理屋 - 長谷部久人建築設計事務所の施工実例
施主様のこだわり
背景となる壁を築き、 光・風・緑を抱き寄せる。
心の休まる飲食店を開きたいという要望を受け、小料理屋と住居を併せ持つ建物を設計。眺望が確保できない建て込んだ立地だったので、自然が入り込む余白を備えた建物を目指した。隣家側に開口を持たない壁を設け、その内側に細長い庭を築く。その庭に沿って室内空間をつくるための壁があるという、2重の壁を持つ建物とした。2重の壁にすることで、庭に向けて大きな開口をとることが可能となる。1階を店舗、2階から上を住居とし、それぞれの玄関は反対の位置に配置した。店内のカウンター席は、山採りの木を植えた庭を眺め、ときに店主と語らいながらお酒や食事が楽しめる場。外側の壁は、防火壁でありながら、木を引き立てる背景としての役割も意図した。細長い庭は風の通り道でもある。