4つのゾーンで構成する家 - SHP デザインスタジオの施工実例
南面が道路に面しており、南北に長い長方形の敷地。道路側から駐車場、リビング、中庭、プライベートの4つのゾーンをレイアウトした。奥に長い敷地であるため、意識したのはストレスのない動線。インナーガレージにも出入り口をつくり、そこからはパントリーを経由してLDKとつながっている。またユーティリティをキッチンの近くに集約。ドライコーナーを兼ねたランドリールームはゆったりとした広さ。ロングカウンターや収納もあり、さらには外部の物干し場にも直接出られるようにした。
もう一つ意識したのは、開放感の創出。敷地の両隣に住宅が建て込んでいるため、リビングとプライベートゾーンの間に中庭をつくった。両空間に大窓から自然光を拡散させ、視線の抜けも生み出している。隣家との間には、スチール製のシルバー縦格子を施し、外部からの視線をガードする工夫もなされた。
ファサードは建物のバランスを取るため、リビング部分の屋根を上げた。外観に変化をもたせることに加え、リビングにゆとりの天井高を確保。風と光の通り道をつくることができた。外壁は塗りとし、軒裏には杉板を施した。玄関ホールとポーチは、表面の加工を変えた同素材のタイル貼り。これにより伸びやかに繋がった空間を演出した。
床や造作家具はブラックウォールナットの落ち着いたカラーでコーディネート。テレビ台、ソファ裏のチェスト、キッチンの背面収納、ユーティリティの収納などはすべて造作。さらには玄関ドアもステンレスの枠に板をはめてオリジナルで製作した。癒しの場である中庭は、半分をタイル貼り、半分を土とし、植栽などガーデンライフを楽しむことができる。