施主様のこだわり

建物のデザインを生み出した敷地から得たインスピレーション。

歯科医院の設計を依頼された際、まず建設予定地に立った河野さん。「一帯は開発地域で現状では建物がなく、背後に緑の山並みが見えました。パッと思い浮かんだのは、青空の下に干されているシーツのイメージ。清潔感や爽快感を与えるその情景を外形のデザインで表現したいと思ったのです」と話す。そこで敢えて過剰な意匠は行わず、五角形の敷地いっぱいにはためくシーツのような直線的な建物を据えた。一見すると無機質なようだが、歯科医院らしいクリーンな建物の形ができあがった。内部設計はそれと対比させるように、受付カウンターを曲面にし、ウッドの質感を活かした。「予防医療に力を入れ、日常的に足を運びやすい医院としたい」という院長の想いをくみ取り、待合室には大きく取った開口に面してカフェのようなカウンターを設置。医院らしからぬ雰囲気が生まれている。内部の動線はシンプルで、診療室からも周辺の景観を臨むことができる。