5つ庭の平屋の家 - 奥野崇 建築設計事務所の施工実例
施主様のこだわり
建物と庭と家具の調和による「極み」の空間を追求。
藩政時代に大洲藩の船奉行が置かれ、港町として栄えた歴史を持つ町。その由緒を秘めた地にふさわしい品格を漂わせるたたずまいのYさま邸。奥野さんは約250坪ある敷地を活かし、家と庭を絶妙な関係で一体化させるプランを描いた。ご夫妻の生活空間とお子さんたちが帰省した際に機能する空間を持つ平屋が築かれ、5つの庭が設けられている。迎える前庭から始まり、リビングダイニングとつながり、くつろぎの場にもなる主庭、室内から楽しむ景となる裏庭など、各部屋の用途や雰囲気に合わせた趣の異なる5つの庭が家を囲む。 「華美ではなく、控え目な美」を意図したという建物は、無垢の木や珪藻土、大理石といった“本物の素材”を使い、凜とした空間に仕上げられている。象徴的なのは、天井の化粧垂木。それは、奥野さんがイメージする「極み」の空間をつくりだすためにこだわった、“ あらわし”の美である。