施主様のこだわり

　「楕円型の家をデザインしてほしいのです」と、三瀨さんのもとへ突然、飛び込みでいらっしゃった施主さま。かつてieproに書かれていた彼女の「R（曲線）を得意としている」という文言に目が留まったことがきっかけだったという。もともと服飾デザイナーを目指し、立体裁断を習得しているため、図面から曲線で描いていくことが多い。だからこそ難題に思える“楕円の建物”というオーダーに、想像のさらに上をいく形で応えた。　楕円形の建物であること以外、色づかいやデザインなど、三瀨さんにおまかせ。そこで、邸内は自然をイメージし、土、草木、緑、雨、雲、空を表現した。また窓枠にモザイクタイルのコラージュや手描きのパステル画をほどこし、家自体がアート作品のように。住むことで感性も磨かれる−そんな「楕円の森」が完成した。