施主様のこだわり

時を経て風合いを増す飽きのこない古色の家。

長く愛されてきたものが持つ「古び」の味わい。施主のKさまが望まれたのは、そんな雰囲気だった。無垢の木や珪藻土、鉄など、時の経過につれ風合いが増す素材と、「古び」を表現する手法を使い「Patina（古趣・古色）」な空間を仕上げた。無垢フローリングや建具はウォールナット色に塗装し、扉にはアンティークの板ガラスを使用。鉄製の塀は錆による変化を味わいとすることを意図し、あえて錆どめを施していない。単に「古色」の演出ではなく、素材感を生かした空間づくりによって、飽きることなく愛着のもてる家を追求している。　二世帯住宅なのでプライベート空間と共用空間に、ほどよい“距離感”が保たれるように配慮し、親世帯の部屋とLDKは中庭を介して配置した。LDKの壁の四角い穴のレイアウトを考えていただくなど、Kご夫妻の手も加わった共作である。そんな「家づくりの思い出」も味わいとなっている。