中庭をもつ都市の平屋 - 細川建築デザインの施工実例
施主様のこだわり
敷地は香川県高松市の住宅地に位置している。敷地周囲の隣接地には住宅が建っており、隣家からの視線を意識せざるを得ない状況にある。また中心地であるが故に、プライバシーやセキュリティの確保も問題となっていた。こうした敷地形態を考慮し、問題点を整理していくなかで必然的に生まれたのが、四方を居室で囲んだ中庭空間である。この中庭に対して、玄関・リビングダイニング・浴室をレイアウトし、効果的に視線の抜けを生み出しつつ、光と風を取り入れた。また南側にも庭を配置し、リビングからは左右に植栽の緑を眺めることができる。一般に「平屋住宅」というと、郊外の広い敷地に建つ住宅が連想されるが、周囲に建物が密集した地方都市の住宅地に完成したこの住まいは、平屋の新たな提案となっている。施主さまとの出会いは、建築家との出会いをプロデュースするイベント。細川さんの手がけた上質でスタイリッシュな施工例に共感を抱き、依頼に至ったという経緯がある。「敷地は住宅密集地にあることに加えて、変形の旗竿敷地。一般にデメリットととらえられがちな条件を、メリットとするデザインを行うことに建築家としての喜びがある」と細川さん。なかでも特徴的なのは、プライバシーを確保しながら描く開放感。効果的に配置した開口により、昼は自然光を取り入れ、夜は間接照明などの計画的な照明計画で、ミュージアムやホテルのような上質な空気感を生み出している。この地を