施主様のこだわり

目の前は穏やかな瀬戸内の青い海、その向こうに見えるのは東西に連なる山々の稜線。某企業の保養所として建てられたこの家は、日常の生活をするという目的ではなく、間取りや設備もこの場所でこその非日常を楽しむという目的に特化して設計されている。大きく出した軒と両開きの玄関ドア、外から土足のまま出入りできる玄関直結の土間キッチンは、庭でBBQをする際の利便性を考えられたもの。砂が上がらないように一段高くしたリビングからは、どの場所からも余計なものを視野に入れることなく、美しい海だけを眺めることができる。リビングにはテーブルやイスは置かず、座布団やクッションに座るようにしたのは、キッチンに立つ人と視線が合うようにとの配慮ゆえ。土間からリビング、吹き抜け下の畳コーナー、奥のゲストルームへと、空間が緩やかに変化しながらつながっていく面白さがある。