施主様のこだわり

小道を散策するように窓から見える景色を楽しむ。

「初めて敷地を訪れたとき、周辺を取り囲む“小道―Footpath”がとても印象的でした」と藤山さんは話す。山並みと田園が広がり、真っ直ぐな小道と緩やかに湾曲した小道が交錯する風景からインスピレーションを得た。敷地はV字に似た変形地。形状を活かし、住居棟と離れ棟をアプローチでつなぎ、小道を散策する姿を導き出した。邸内も小道が随所に描かれている。窓から風景が取り込まれ、外へとつながる感覚。この家自体が“小道”を歩いているかのよう。そうして施主様家族が願った「住んで楽しい家」を具現化している。周辺は開発が進み、この田園風景もやがて失われてしまうかもしれない。しかし、この家に“小道”は残る。庭を散策したり、邸内でくつろいだり。この家は、豊かな暮らしに古きよき時の面影を残している。