施主様のこだわり

既存の意匠と熟練の技が感動を生み 暮らしを大らかに包み込む大空間　

Ｏ様は愛媛に帰郷するにあたり、所有していた築80年の古民家をリノベーションすることに。まかせられる企業を探していたところ、「古民家再生なら、うずくぼ工房」と称されるほど日本建築の実績が豊富な同社に安心感を抱き、依頼しました。
　旧耐震基準の建物で老朽化も進んでいたため、基礎から手を加えるフルリノベーションとなった今回の計画。構造を金物や筋交いで補強し、各部屋に耐力壁を新設するなど建物の強度や耐震性を強化しました。その一方で既存の屋根瓦や屋内の欄間、一部の建具はそのまま活用し、古き良き古民家の風情を残すことに成功。和室続きだった居室空間は、暮らしの中心となるリビング、ゲストを迎えられる和室、多目的に使える小部屋や縁側として空間それぞれに役割を持たせました。「離れにあった浴室を建物内に配置したい」「キッチン土間を使い勝手に優れた対面キッチンにしたい」という要望に対して、水まわりを隣接する場所に集約することで同時に解決。施工の仕上がりには、伝統建築を十八番とするうずくぼ工房の妙技が光ります。玄関土間からホールへ上がりづらいという奥様の悩みにも、職人による造作の手摺を新調するなどして暮らしやすさにも配慮。意匠美と構造美、そして動線美を兼ね備えた美しい邸宅となりました。