r i t … - Mise Yoko design officeの施工実例
施主様のこだわり
海に向かって 音楽を奏でる。
三瀨さんは海辺の中古住宅のリノベーションを手掛けるにあたり、ゆっくり過ごす空間をイメージして「r i t …」をプランニングデザイン。「r i (t ritardando)」とは、楽譜で「だんだんゆっくりと…」を意味する速度記号だ。コンセプトは文字通り“だんだんゆっくりと”。大好きなインテリア、絵、景色、楽器、音楽に囲まれて、1日中ゆるやかに寄せ返す波を背景にして際立ち、共感し合う空間づくりを心掛けた。その空間が時の流れをどう変えるか、実験的な空間でもある。
2階はリビングやキッチン、寝室、水まわりを集約してワンルーム風に、3階は防音を施してピアノの演奏室に。すべてが海に向かってオープンであるため、それこそ“ひねもす(終日)”海が見える設計になっている。食事をするときも、ソファに座ってくつろぐときも、入浴するときも、演奏するときも。レイアウト上、キッチンは死角が生まれてしまうのだが、シンク側をあえて壁からはみ出させることにより、料理をするときも…どんなときも目の前に海の眺めが広がる。
だんだんゆっくりと…このリノベーションは完成に向かっているようで、もしかしたら未完成なのかもしれない。三瀨さんのなかに降りてくるインスピレーションがハーモニーを奏で、どんな暮らしが紡がれていくのか楽しみである。