わずか1 0 分間の、楽しい船旅。 - Yoko Mise design officeの施工実例
施主様のこだわり
松山市沖に浮かぶ興居島に、30年ぶりとなる新造船「しとらす」が就航。その内外装のデザインを、三瀨さんが手がけた。あらゆる空間デザインを得意とする彼女だが、さすがに船は初めての経験。向島にある造船所で打ち合わせを重ね、素材から手順まで手探りで決めていった。しとらすはバリアフリーを意識したフェリー。誰もが快適に過ごせるよう、居住性に気を配ったという。外装にはかわいらしい海と船のイラストをペイント。船内にはビビッドな生地のコラージュを張り合わせたベンチや椅子を設置し、無機質になりがちな船のイメージを払拭した。このベンチには、限られたスペースに規則性をもって着席することで、できるだけ多くの人が座れるよう、布の配置や間のとり方に工夫を凝らしている。そして壁には興居島の地図をドローイング。わずか10分間の船旅なれど、日常客はふとした気づきを、観光客は新しい発見を楽しむことができる。